堤防紹介
川崎新堤は横浜寄りの浅場から東京寄りの深場まで約3.3km全て垂直形状の堤防となります。
堤防から海面までの高さは外側で5〜6m、内側で2m前後、そのためタモの柄は5〜6mのものが必要となります。
水深は浅場の6〜7mから最深部で12〜13mと東京湾の防波堤の中では平均して深い釣り場となります。そのためヘチ釣りの基本となるタナ釣り、中層、底釣りと全てのパターンが楽しめる防波堤と言えます。
春の乗っ込み期は、その年によりズレはあるものの、例年3月下旬から数週間、ここ数年は5月の連休まで釣れることがあります。
この時期は基本的には底釣りが中心となりますが、春の強風が防波堤に吹き付ける日は浅タナで痛快なアタリを楽しめる日もあります。
乗っ込みから産卵期を迎えると魚はひと息ついて口を使わなくなります。
六月の梅雨時期に入ると回復に向けて再び口を使い始めます。
この頃には魚が上層へ浮き始め、待望のタナ釣りが楽しめるようになります。もちろん底にも魚はおり、上層で反応の無い日や時間帯は、底を狙うと釣果が望めます。
夏のシーズン最盛期は常連客の間で通称『残業』と呼ばれる夕マズメと半夜釣りが楽しめる船便があります。黒鯛師は暑い夏場は昼の便からゆっくり出社(渡船)し、堤防のヘチ際に影が入り始める15時頃から日没18時半までの短時間、浅タナで狙える時合いを楽しんでいます。
秋に入ってもタナ釣り、底釣り共に楽しめ、徐々に底や深場へ落ちてゆく期間には中層狙いもポイントとなります。
冒頭でも述べた通り、水深のある川崎新堤は魚が深場へ落ちる冬場、他の防波堤ではシーズンオフの期間でも釣果が望める堤防です。
冬場は底釣りがメインとなりますが、大きめのタンクガニを地底まで落として数少ないアタリで大型魚をモノにするのも醍醐味です。
その年により釣れない冬もありますが「12月は最盛期並みに釣れる」というのが常連間での定説となっています。
例年、年明け1月中旬まではそれなりの釣果が望めますが、気温、水温も低下する2月が最も厳しい時期と思われます。
風向きの好条件は、外側正面に受ける南寄りの風で、正確には南東風が真正面となります。西寄りの風が入り、強まるに連れて横浜方面からの横風傾向となります。対して東風、北東風になると東京方面からの風を受けます。
この東と西の横風が強い日は、ヘチ釣りにおいて不便なこともありイマイチとされている条件です。
潮流は上潮が横浜方面から東京方面へ流れます。そのため南西寄りの風向きと上潮の時には一番周辺に潮と風が当たります。
対して下潮と北東風の場合は六番の白灯台、コバ正面にぶっつけとなります。
川崎新堤は非常に長大なフィールドでありながら水深もあるため、狙うポイントは「外側、内側」、「上層タナ釣り、中層、底釣り」と複数パターンとなります。